Editor's PickUp
大前研一通信ははじめて読みますが、大前さんの様々の雑誌に寄稿した記事を1ヶ月分まとめて一つの冊子としています。ざっと今月号の雑誌掲載元を上げると、以下の雑誌となります。
- プレジデント
- nikkei BP net
- 週刊ポスト
- SAPIO
- ネットマネー
大前さんの特徴として、竹を割ったようなスッパリとした切り口で、物事を斬るのが読んでいて面白いです。共感した記事をいくつかあげます。
日系企業の新常識、国内採用抑制、海外採用増
冒頭で「何の効果もないのに始まった高校無償化」と民主党の高校無償化を斬る内容。”義務教育でも無い高校教育をなぜ無償化しなければならないか”と、私も同じことを思うところです。もちろん、無償は悪いことではないと思いますが、その先の大学教育を考えていないで、ただ無償化したところが良くないとのこと。確かに、大学は入学者が少なくなって、推薦入学を定員の半分以上とったり、大学によってはめちゃくちゃなことが多くなってきたように見受けられます。結果的に日本の大学を卒業しても、質の良い学生が多くないので、結果として企業は日本人の採用を減らして、海外採用や外国人採用を増やして行くとのこと。一例としてパナソニックが1390人の採用のなか、国内採用は290人にとどまり、海外採用は1100人と公表しました。これは、いくらなんでも、まずい、、と日本人として、今後を危惧します。
郵政限度額引き上げについて
今月号の3つの記事で郵貯限度額引き上げについて、書かれています。
この記事を読むまで、ゆうちょ銀行の預け入れ限度額が1000万円から2000万円に引き上げられてことすらすら知らなかった無知な私なのですが、驚いたことに、2000万円に預入額が引き上げられたとしても、ゆうちょ銀行はペイオフでは保護されてないのです。なぜなら、ゆうちょは国営銀行であるので,国家は破綻しない、という前提に基づいているからです。しかし、ゆうちょが決定的に他の銀行と違うところは、「運用」をする部門がないということ。通常の銀行は預金を「融資」という形で、金利をつけ貸付をし、回収することで利益を得ます。一方ゆうちょ銀行は融資というものをしないので、集めたお金はどこへ行くかというと、自動的に国庫に収めることになり、国債を購入したりするのに使われます。しかし、この限度額上限が増えることで、更にゆうちょに集まるお金は増えますが、運用については全くの素人のゆうちょがまともに運用出来るとは思えない、というのが大前さんの意見。国の借金が増え、インフレに向かう一方で、ゆうちょについては何をどこまで保護するのか、国営だから潰れないという名目で、明文化もされていない、のにも驚きました。私自身はゆうちょにはお金を預けていないのですが、地方ではゆうちょはおばあちゃん達が多々お金を預けていることでしょう。この事実を知ってもゆうちょにお金を預けるでしょうか?
鳩山首相が”添乗員扱い”された屈辱外交の病巣
今となってはやめてしまった鳩山元首相のオバマとの外交の状況を斬っています。この記事を読むと、鳩山さんが普天間普天間!と騒いでいても、アメリカに取っては、そのプライオリティはかなり低いのに、オバマに対して、日本の国内事情だけを考えて普天間問題しか話そうとしない時点で外交としては失敗!と厳しく言っています。確かに、これは空気が読めていないですよね。また、唯一の被爆国として、核撲滅を訴えてきたはずが、普天間でもたもたしている間に次の核サミットは韓国に取られてしまい、情けない限り。この記事を読んで、本当に日本の外交は大丈夫かと不安にならざるを得ませんでした。
大前さんの記事は普段ニュースが述べない裏事情も踏まえて書いているので、本当の日本のおかれている状況がよくわかります。よくよく読むと、いかに毎日のニュースは上辺だけで、簡略化された内容だけであるのだな、と感じます。少々過激な発言もありますが、読んでいて、納得する部分も多いです。
また機会があれば、読んでみたいと思える内容でした。
>>> http://ohitorilife.seesaa.net/article/153927083.html
初めて、大前研一通信を読み、読んだことない方へどういう本なのか、私の視点で紹介します。
一ヶ月間の大前研一氏の発言がまとめられている
大前研一通信は一か月に一回発売されており、この一ヶ月間で大前研一氏が雑誌上で発言した内容が
一冊にまとめられています。
毎月かわかりませんが、テーマとして「特集」「経済」「経営」「TOPICIS」「生き方」とBBTの卒業生が記載した記事の内容が載っています。
特集に記載されている内容は毎月テーマ性があり、今回は日本のからくりというテーマ。
通信を書き終わってから、このテーマを決めているというより、テーマを決めてから一か月の間の記事を複数の雑誌での寄稿を考えているのではないか?と思わせるほどの、各記事の内容の共通性があります。
各記事は2ページから3ページくらいにまとめられているため、読みやすく、メディアで語られているフィルターではなく、大前研一氏のフィルターを通して、世界の状況を知ることができるのではないかと見えます。
今回の特集の日本のからくりでは、雇用の視点、日本人のお金に関する視点、日本という国がどう見られているのか?この3点で見られている。その中でも私が気になった記事を取り上げ、感想を。
グローバルな人材が求められている
プレジデント 2010年5月31日号の日本のカラクリの記事で書かれていることだが、日本での採用が減ってきている。働く人口が減少しているが、企業の採用人数は横ばいか増加している。にもかかわらず、日本国内での採用は減ってきている。いい例がパナソニックであろう。
パナソニックの採用
日本国内のみで戦っている企業はいざ知らず、すでにグローバルな企業に至っては、採用を日本人で固める必要がない。むしろ、世界市場で戦えるか?この一点で採用の条件を見ているのであろう。
海外の例で言うと、TOEICの点数が一定以上ないと採用されいない、昇進しない。
××で勤務ができないと昇進できない。
というのが増えていくのではないか?
社会人ばかりではなく、その社会へ出るための基礎を育てる教育に対して、高校無償化の問題にも大前氏は指摘している。
私自身、高校無償化はいいな・・と思ったが、この記事を読んで・・・??と考えなおされた。
私は生活にはやや貧しく、高校は公立へ通っていた。そこでも手当などをうけたりしながら勉学を行っていた。私だけなのかもしれないが、お金に対してはやや敏感になっていた。そのため、なるべくムダしないようにと思っていたり・・・。
それはさておき、単に無償化するってことは、一種のストレスがかからなくなり、本当に効果があるのか?と疑いたくなる・・・というきっかけを与えてもらえた。
無償化することで、財源の確保は?家庭内で浮いて費用は何に使っていく?(通貨の流通がよくなる?)そして、大学への高等教育との区別はどうつけるのか?
大学は収入のために、多少できが悪くても合格させる?
↓
大学の学生の質が下がる
↓
大学の授業の質を下げる
↓
何のための大学?
↓
社会に出るとき・・・どうなっている?
国債のやり取りは知るべき
もう一点、気になることは、やはり日本の財政がらみの記事である。
毎年二回、春と秋に国債の募集がある。私は買ったことがないが、気になったこともある。
しかし、債務とついているということで、国の御金集め・・・って感じですという認識を持っている人はどれくらいいるのだろうか?
この国債を購入している以上、政府や役人は赤字国債を新規で発行するのではないか?
また、購入しなくても、郵便貯金がそれを購入してただ担保している・・・つまりは預貯金が国に勝手に使用されている・・・という認識を持っているだろうか?
さらに、今回実際に通すかどうかわからない、郵政改正法案による郵便教による預貯金の上限を2000万円まで上げる法律。
預金高はあげられるが、ペイオフのことは触れられていない。民間の銀行ならセットで考えられるはず。しかし、郵便局はつぶれない(国が担保するから)というストーリーなのか、確かにペイオフのことは言われていないなと。
そうじて、大前研一氏の書籍や雑誌を通して思うことは、自分の財産・人生を自分で切り開く、維持するために学習をする必要が常にあること。「財務」「IT」「英語」という3つを常に身につけていかなければ・・グローバル化する状態の市場で生き続けられないこと。
が、人の人生の満足度と、このような市場でバリバリ働いていったり、考えていくことはイコールではないのは確か。
一方で、そういって、自分の生活だけを大事に・・って人が増えていくと、日本という国ベースで考えると衰退していくのだろうな・・・と改めて考えさせられた1冊であった。
自分ができる小さなことを自分と自分周りの人のために影響させていく。それを学ばせていただきました。
機会があれば、書店で手にとって、「大前研一通信」を見てみたらいかがだろう。
>>> http://ameblo.jp/rest-of-waterimp/entry-10568243656.html
今回は、大前研一さん一色の雑誌「大前研一通信」です。
本誌は、多数のメディアに掲載された大前さんの記事1ヶ月分を冊子として提供しています。
大前さんは凄いですよね。プロのジャーナリストでも毎月自分の記事を40ページ(広告:9ページ)もある冊子として提供することはなかなかできないと思うんです。
どれだけ大前さんが活躍しているかが伺える冊子となっています。
今号の特集は、「日本のカラクリ」と題しまして、以下の記事が掲載されています。
- 1.【OPINION】・日本企業の新常識「国内採用抑制、海外採用増 (PRESIDENT 2010/5/31号)
- 2.絶壁の真上に近づいてもお金に疎い日本人 (nikkei BP net 2010/5/12日経BP社)
- 3.日本の財政状況をめぐる仙谷大臣の大失言 (nikkei BP net 2010/4/13 日経BP社)
- 4.亀井・郵政改革担当相「郵貯限度額引き上げ」は納税者負担を倍増させる節操なき愚策だ!(週刊ポスト 2010/4/30号)
- 5.郵貯という“国債買い取り機関”を放置したままでは日本経済は破局に向かう(週刊ポスト 2010/5/7.14合併号)
- 6.あー勘違い!国民 (VERDAD May. 2010号)
- 7.前原プランに釣られてしまった橋下府知事 (nikkei BP net 2010/5/7 日経BP社)
- 8.鳩山首相が“添乗員扱い”された屈辱外交の病巣 (SAPIO 2010/5/26)
- 9.〔FORUM WIDE〕:「求められる総理像とは?」
- 10.ネット選挙活動の解禁 民主は推進派 (夕刊フジ 2010/4/23号)
- 11.【大前関連発言】・交遊抄 いまだ守れない教え(日本経済新聞 朝刊・4/15号 日本経済新聞社)
有名どころの雑誌や新聞ばかりですね。
管理人は、1の記事で衝撃を受け、3の記事で仙谷大臣のダメっぷりに憤慨しましたとさ。
今号の管理人のツボをご紹介します。
【経営】・中国に飛び火するトヨタのリコール問題 (nikkei BP net 2010/4/20 日経BP社)
米国でのトヨタのリコール問題は収束方向になって、メディアでも騒がれなくなりました。
しかし、同様のリコール問題に対して、中国では各省、各都市でバラバラの要求をトヨタは求めているそうです。
そして、中国の「2ちゃんねる」のような掲示板で話題になっていて、どこの地区がトヨタに対して一番勇気ある高額な要求をするか!なんてことが議論されているそうです。
管理人は、中国のリコールが残っていたなんて知りませんでした。
トヨタは大変ですねぇ。
中国は広いから各地区を納得させつつ、補償を実現的な金額にもっていかないと大変ですねぇ。
トヨタがどう対応するか期待されます。
【教育】<大前関連発言>「挙手」から「つぶやき」へ 教育現場へ導入されたツイッター(日経BPムック 日経ビジネス別冊「twitter 会社と仕事はこう変わる」2010年5月号 日経BP社)
大前さんが学長を務める「ビジネスブレイクスルー大学」でツイッターを導入した講義があるという記事です。
コレ結構面白いですね。ツイッターなら気軽に参加出来そうです。
しかし、ツイッターアカウントをプライベート用と学習用の2個用意しないと、教授にプライベートまで覗かれてしまいそうで怖いですね。
でも、ビジネスブレイクスルー大学は新しいことをどんどん行っていて期待されます。
先日は、iPhoneで講義録画が視聴できるようになりましたね。さすが対応が速いっす。
評価(世界でも人気の大前さん。さすが、アジアには大前が居ると言われるほどの人です。):★★★☆☆
>>> http://www.dokushogaku.com/archives/2592